ZOZOテクノロジーズの2019年の振り返りと現状

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こんにちは、ZOZOテクノロジーズのVPoEの今村(@kyuns)です。 この記事はZOZOテクノロジーズ Advent Calendar 2019の25日目の記事になります。今年はZOZOテクノロジーズとして5つのAdvent Calendar、全125個の記事がありますので、ぜひご覧ください。ちなみに前日の記事は@ikenyalCTO室はじめました 〜新設CTO室が1年目にやったことと課題でした。

昨年2018年12月のAdvent CalendarでこのようなZOZOテクノロジーズの紹介記事を書きました。 時が経つのは早いもので、あれからもう1年が過ぎ、その間にZOZOテクノロジーズにも非常に大きな変化がありました。

この記事では、2019年を振り返りながら最近のZOZOテクノロジーズの様子について紹介していきたいと思います。

会社の状況

ビッグニュース

まず2019年9月12日、我々を震撼させる非常に大きなニュースがありました。 なんといっても前ZOZO代表の前澤の退任、そしてヤフーの親会社による買収の2つのニュースです。

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前澤社長の退任の衝撃

ZOZOを代表する人間といえば、やはり前澤という人間だったでしょう。月に行くと言ったり、1億円のお年玉を配ったり、大物女優さんと付き合ったり、昨年からメディアで目にしない日はないぐらい世間を賑わせる存在でした。 それと同時にカリスマ経営者であり、彼なしではZOZOTOWNがここまで成長することはありませんでした。

そんなZOZOの顔である彼がいなくなることは我々にとっても非常に大きな心配事でした。 ニュースの発表前は 「ニュースを知った社員たちはどういう反応をするだろう?」 「前澤のことが好きで入ってきた社員達が一気に辞めるのではないか」 「今後のZOZOTOWNの戦略はどうなるんだろう?」 と、いろんな事を考えながら当日を迎えました。

ニュース発表当日、スタッフ達は朝から一体何が起きたのか、事実を受け入れるまでに時間がかかっていた人が多かったように思えます。昨日までは、自分たちの会社を代表する存在だったのに、ニュースで知ったときにはもうZOZOをやめている、そんな天変地異みたいなが起きることがあるのかと。

ただ、この心配は杞憂に終わりました。

発表の後エンジニア達全員と面談をしましたが、前澤の決断という思いを汲み取ってか、みんな非常に前向きで、これからは自分たちでZOZOを支えていかないといけない、という強い意気込みを感じました。

実際に退任が直接的原因で会社をやめたという人は今のところ聞いていません。 今、ZOZO社員は澤田新社長の元、過去最大級にやる気に満ち溢れています。

ヤフー親会社による買収(TOB)

同時に発表されたのはヤフーの親会社、ZホールディングスによるZOZOのTOBのニュースでした。

僕自身、もともとヤフーに新卒入社して、Yahoo! FASHIONを立ち上げた経験があります。ヤフーでファッション業界を変えようとしたのです。しかしながら、その1年後僕と金山(現ZOZOテクノロジーズ CINO)はヤフーを辞め、VASILYという会社を創業し、ファッションサービスの開発を行う人生を歩みました。そして、数年の時を経て2017年にZOZOへとM&Aされたという経緯があります。

元ヤフー出身の僕としては初めてその事実を聞いたときにはさすがに衝撃すぎて変な声が出ましたが、13年の時を経てまたヤフーとともに日本のファッション業界を盛り上げれるなら、これはもう運命以外の何物でもないだろうと、今となってはワクワクしています。

そしてヤフーと手を組むことは 「日本でナンバーワンのファッションECを共に目指す」 ことが可能になることを意味します。

ZOZOとしてもこれほど大きな目標に更に向かっていける強力なパートナーを得たという意味では今後の協業が本当に楽しみです。 またエンジニアリング組織としても、協力してより強化していくことをヤフーCTOの藤門さんとも話し合いました。

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会社の規模はどう変わったか

ZOZOテクノロジーズには2019年12月時点で約330名の従業員が在籍しており、そのうちの約230名がエンジニアになります。10月にはZOZOUSEDが吸収合併された影響もあり、昨年からすると約100名ほど従業員が増えました。 また今年4月には14名の新卒社員が入社し、来年の4月には19名の新卒も入社予定、さらにZOZOのグループ会社であったアラタナの吸収合併も予定されているため、400人を超える組織になっていく予定です。

プロジェクト紹介

この1年でZOZOが行う事業にも非常に大きな変化がありました。 現在進行中のプロジェクトをいくつか紹介したいと思います。

ZOZOTOWN

すでに完成していると思われがちなZOZOTOWNですが、非常に多くのプロジェクトが進行しています。ちょうど10月頃にこれできる人いませんか?という求人ページを公開しましたが、その中からいくつかの案件を紹介します。

ZOZOTOWNリプレイス

昨年から続いているZOZOTOWNのリプレイスプロジェクトです。 オンプレミス環境および、VBScriptで構成されている今のZOZOTOWNのアプリケーションをマイクロサービス化し、クラウドへと移行を進めています。 現在まだプロジェクト道半ばですが、少しずつ本番での運用実績が溜まってきました。 最近では大きな負荷のかかるセール時でも、本番のトラフィックを一部クラウドへ流し、安定運用することが出来始めてきています。 とはいえ、まだまだ道のりは遠く色々試行錯誤しながら進めている最中です。

検索改善

ECサイトにおいて、商品検索は生命線といっても過言ではありません。 ファッション辞書の構築、検索結果のパーソナライズやサジェスト精度の向上など、まだまだ検索まわりにおいて改善することが山程あります。 われこそは、という検索のプロフェッショナルな方の協力を必要としています。

パーソナライズ

ZOZOには膨大なファッションに関するデータが蓄積されていますが、まだそれを十分に活用できていません。それらビッグデータを活用し、機械学習などを用いて、一人一人に合わせた商品の表示を届けるようなパーソナライズの基盤を構築するプロジェクトになります。 機械学習や深層学習を用いて、最適な結果を突き詰めていくやりがいのあるプロジェクトになります。

基幹システム

ZOZOTOWNを支える要と言っても過言ではないでしょう、ZOZOの強みは自社でのフルフィルメントにあります。その裏側を支えるシステムの改善全般を行います。BOと呼ばれる商品を管理するためのツールの改修はもちろんのこと、最近ではスマートファクトリーチームと連携して、今まで人間の手で商品のサイズを計測していたものをZOZOSUITの技術を応用し、商品を撮影した画像を解析することによって自動的に商品のサイズを算出するようなシステムの開発を行ったりしています。このように"ささげ"とよばれる作業を技術を用いて自動化していくようなことなども行っています。

MSP(マルチサイズプラットフォーム)

昨年最も話題となったZOZOSUITですが、事業方針の転換により、ZOZOSUITはカスタムオーダーのスーツの注文を除いて配布を停止しています。その背景としては、数百万件の体型データを集めたことにより、身長体重年齢などからある程度の体型を予測することが可能となったことや、プライベートブランドの事業方針の転換などがあります。

現在は、ZOZOSUITで培ったマルチサイズの服を作るという技術を用いて、ZOZOに出店してくださっているブランドさんの人気商品をマルチサイズで展開できるようなサービスへと事業転換をおこないました。それがマルチサイズと呼ばれる事業です。 現在ZOZOTOWN上ではMSマークのある商品は自分の体形にあったサイズで購入することが可能となっています。また、MSP事業を支える上で必要なのが、効率の良い生産方法の確立です。例えば、型紙をそれぞれの体形のサイズにあったように作る作業、いわゆるグレーディングを自動で行うような研究開発なども行っています。

ZOZOMAT

f:id:kyuns:20191225193157p:plain ZOZOSUITについで、我々が目指したのは足の計測でした。足の計測をミリ単位で行うシステム「ZOZOMAT」の開発を行っています。ZOZOMATのリリースも控えており、靴選びに革命をもたらすシステムの開発に取り組んでいます。 どのようなUI/UXにすれば、ユーザーがわかりやすく、高精度に計測できるのか、日々試行錯誤しながら靴選びの未来を模索しているプロジェクトになります。

中国版ZOZOTOWN「ZOZO」

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12月にはZOZOTOWNの中国進出を開始しました。中国に現地法人を設立し、新しくファッションメディアECとして、WEARに蓄積されたコーディネートやトレンド情報発信に絡めながらファッションを楽しむことができるサービスとして新たに「ZOZO」をローンチしました。 世界進出の足がかりとしてまずは中国での成功に全力を尽くすプロジェクトになります。

PayPayモール出店

ヤフーとのシナジー第一弾はZOZOTOWNのPayPayモールへの出店です。 ちょうど今週PayPayモールへの出店を開始しました。ZOZOTOWN PayPayモール店 PayPayモール内のZOZOTOWNは、在庫の連携なども行っており、システム的にもインテグレーションの強化を行っていきます。 また、今後はZOZOTOWNへのPayPay決済対応をはじめとして様々な連携作業を控えています。 日本一のファッションECをヤフーとともに作り上げるために、色々な施策を行っていくプロジェクトになります。

ZOZO研究所

f:id:kyuns:20191225210744p:plain ZOZO研究所ではいろんな研究が行われていますが、最近では類似アイテム検索のようなプロジェクトでもMLエンジニアが活躍しており、非常に高精度な類似画像検索を実現しています。このように研究開発した結果を、プロダクトに組み込めることもZOZO研究所の魅力の一つとなっています。また取り組み内容をGoogle Cloud Nextで発表したり、アカデミックな分野以外での登壇の機会も増えてきました。 今後もパーソナライズをはじめとして、ZOZOTOWN側と協力しながら、様々なアルゴリズムの開発を行っていきます。

Innovation Initiative(新規事業)

いわゆる新規事業を行うプロジェクトチームになります。その範囲は非常に幅広く、新規サービスの開発やIoT、スマートスピーカー、XRなど様々な新規事業開発を行っています。 世界中を飛び回って自分たちが必要とする技術を持っている会社を探したり、海外の企業とコラボレーションすることも多いチームになります。最近ではメルカリR4DでXRを推進していた@ikkouさんが入社して新しくXRチームが立ち上がったり、これからの活躍が楽しみなプロジェクトチームになります。

労働環境について

ZOZOテクノロジーズの労働環境においても非常に多くの変化がありました。

勤務場所

勤務場所は変わらず青山、幕張、福岡の3拠点が存在します。 更に来年の4月にはアラタナも吸収合併されるため、宮崎にも拠点ができることになります。

環境、福利厚生、制度、手当など

ZOZOテクノロジーズにはすでに非常に多くの福利厚生や制度がありますが、今年になってさらにいくつかの新しい制度が出来ました。この1年で、制度面から見ても他社に引けを取らないぐらいの水準になってきたかとは思います。昨年からの変更点をいくつか紹介いたします。

グループウェアをG Suiteへと移行

まず社内のグループウェアがOffice 365からG Suiteへと変わりました。Office 365もいい面はあるのですが、オンライン上のツールが使いにくかったりプログラムからのインテグレーションが弱かったり、今後の効率化のことを考えてGoogle DriveやSpreadSheetを扱えるG Suiteへと移行しました。チャットツールとして利用しているSlackも現在Enterprise Gridへと移行を進めています。

フルフレックスタイム制度導入、リモートワーク解禁

今年新しく導入された制度で、一番インパクトがあったのは間違いなくこの2つの制度、フルフレックスタイムリモートワークです。 今まではコアタイムありのフレックス制(コアタイムは10時〜17時)でしたがフルフレックスタイムへの移行にあたり、コアタイムは無くなりました。 またリモートワークの仕組みも整えたため、自宅などからも業務を行うことが可能になりました。

しかしながら、この2つを実現するためには多くの壁をクリアする必要がありました。

社員からの要望も非常に強く、我々としてもなんとか実現したかった制度でした。 実現するためにも多くの壁はあり、社内でのプロジェクト管理方法の統一、各チームごとでのローカルルールの許可、VPNの整備、貸与端末のセキュリティ強化など、非常に多くの人達の協力を経て実現するに至りました。

運用開始前はどうなるか心配な部分もありましたが、実際に運用を開始してみると非常に良い結果が出ており、平均残業時間は昨年と比べて約半分の月20時間を切るぐらいまでに減りました。運用を始めて4ヶ月が経ちますが、目立った悪用もなく、社員には好評です。 特にお子さんのいる家庭や時短で働いていた方々にも好評で、柔軟な働きかたを提供することが可能になりました。

特許取得に関しての奨励金

会社としてより多くの特許取得を奨励していくために、特許の出願に関しての奨励金の金額を定めました。 一般的な会社と比べても、高い水準の奨励金となっています。

リファラル採用強化

ZOZOレコと呼ばれる仕組みがあり、知り合いを紹介すると会社から謝礼金が支払われます。リファラル経由での採用も少しずつ増えており、より強力な仲間を増やすための仕組みを用意しています。

Unipos導入

f:id:kyuns:20191225202436p:plain ピアボーナスと呼ばれる仕組みです(社内ではZOZOエールと呼ばれています)。社員同士日々の感謝を伝え合う場として、普段表に見えないような社員の動きが可視化されたり、感謝が飛び交う場所になっています。もらったポイントは給与として支給されます。

病気休暇制度導入

こちらのプレスリリースにあるように、病気休暇制度を導入しました。例えば従来だとインフルエンザになった場合、5日間会社を休む必要があり、その場合は有休を消費する必要がありましたがこの制度によって有休を消費することなく、休暇を取得することが可能になりました。いざというときのために有休をとっておく、といったような心理的な負担も減り、より健全な有休取得が可能となりました。

他にも以下のような福利厚生や制度があります。

  • 社員割引
  • 住宅通勤手当(月5万円)
  • 家族手当(一人につき5,000円)
  • 夏季・冬期休暇(夏休み、冬休みがそれぞれ3日ずつ付与)
  • 書籍購入補助(金額、冊数の上限なし)
  • 資格取得補助(資格取得費用全額補助)
  • セミナー、カンファレンス参加費用全額補助(国内外問わず、チケット代、ホテル代、交通費を全額補助)
  • 副業許可

詳しくはこちらを御覧ください。

エンジニアリング組織の改善

エンジニア組織をより良くするために、4月にはCTO室を直下に新設し、自分自身の仕事をスケールできるようにするための体制を整えました。 CTO室でどのようなことを行ったかはCTO室の @ikenyalCTO室はじめました 〜新設CTO室が1年目にやったことと課題をご覧ください。 CTO室ではエンジニアのパフォーマンスが最大化できるように、様々な仕組みやフローの整備を行い続けています。

1年を振り返ってみて

昨年からは想像もつかないぐらいのいろんな変化があり、まさに変化を楽しんだと言える1年でした。 また、ZOZOテクノロジーズという会社を世間に知って貰う機会を増やせた1年だったかなと思います。 ファッションテックカンパニーとして、少しずつ着実に成長している実感があります。 もちろん、まだまだ発展途上ではあるので、そんな変化が激しいZOZOテクノロジーズ を一緒に盛り上げてくれる仲間も絶賛募集中です。

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