ZOZOTOWN開発本部でZOZOTOWN iOSの開発を担当しているらぷらぷです。例年プライベートのメイン機であるiPhoneをベータアップデートしてますが、いつまで正常に動作しつづけるのかヒヤヒヤしています。
今年のWWDC25も開催期間中には追いきれないほど数多くのアップデートがありました。みなさんはどのセッションが気になりましたか。
本記事では、ZOZOのiOSエンジニアが気になったセッションをご紹介します。この記事を読み終えたらぜひあなたの気になるセッションとともに感想をシェアして頂けると嬉しいです。
また、今回試したAIを活用したセッションのキャッチアップ効率化についてもご紹介します。
気になったセッション
WebKit for SwiftUI
こんにちは。WEAR by ZOZOのiOSアプリ開発を担当しているセータです。
今回の発表では、WebKitがSwiftUI向けにアップデートされ、iOS26から標準でWebViewを使用できるようになりました。詳細は「Meet WebKit for SwiftUI」のセッションをご覧ください。
セッションではWebViewとWebPageクラスが登場します。WebView(url:)と記述するだけで簡単にWebサイトを表示でき、WebPageクラスを合わせて使うことで、URLや読み込み状況、進捗などをプロパティとしてリアルタイムで監視できます。これにより、これまでUIViewRepresentableを使って行っていた複雑な実装が不要になります。状態を管理するために必須だったKVO(Key-Value Observing)やDelegateがなくなることで、より直感的なカスタマイズが可能です。
WebPageクラスでは、状態管理だけでなく、WKWebViewが提供しているほとんどの機能が使用できます。これにより、既存の実装からスムーズに移行できそうです。 現在WEARでも一部画面でSwiftUI化を進めているので、今回のアップデートによって将来的なリプレイスの負担が軽減されることを期待しています。
Record, replay, and review: UI automation with Xcode
ZOZOTOWN iOSの開発を担当しているらぷらぷです。
UIAutomationが提供されてからこの技術をベースとした様々なUIテストコード生成ツールが長年出てきましたが、ついにXcodeと連携するテスト録画機能が提供されました。「Record, replay, and review: UI automation with Xcode」および公式ドキュメントで詳しく紹介されています。
実際に触ってみたところ、タップ・ダブルタップ・スワイプなどの基本的な操作の記録はしっかりカバーしていることはもちろんのこと、記録終了後に任意の要素に複数の要素クエリが存在する場合はXcode上で選択できる点が使いやすかったです。
将来GPT DriverのようなAI連携が進み、記録したテストの自動修正、必要なテストシナリオの提示や自動記録のようなことが実現すると嬉しいですね。
Writing Tools
ショップスタッフ向けの販売サポートツールであるFAANSのiOSアプリを開発しているイッセーです。
今回のWWDCでは、Apple Intelligenceを活用した文章の校正・添削機能「Writing Tools」のアップデートが発表されました。詳細は「Dive deeper into Writing Tools」のセッションをご覧ください。
私が注目したのは、UIBarButtonItemにWriting Toolsが追加され、キーボードのツールバー上に起動ボタンを表示できるようになった点です。セッションでは純正のメールアプリやメモアプリを例に、テキストが多いアプリにはツールバーにボタンを追加するよう推奨されていました。iOS、iPadOS、macOSでは18.2以上で使用できるため、すぐに導入できます。
また、Writing Toolsは選択したテキストに表示されるボタンを押すことで起動する必要があり、便利でありながらも使用までのハードルが高いという課題がありました。 しかし今回のアップデートにより、Writing Toolsを起動するためのプログラムは別途必要であるものの、ツールバーから直感的に起動できるようになりました。
私たちが開発しているFAANSには、コーディネート写真・動画にタイトルや説明文を入力する機能があります。この入力時にWriting Toolsを起動するボタンをツールバーに追加することで、ショップスタッフの方々の投稿作成の負担を軽減し、より質の高い文章作りをサポートできると考えています。そのため、導入を検討したいと思います。
Wi-fi Aware 対応
こんにちは、ZOZOTOWNのiOSアプリ開発を担当しているぎゅです。
WWDC25では、Appleデバイス間の近距離通信を可能にする「Wi-Fi Aware」のサポートが発表されました。
Wi-Fi Awareとは、Wi-Fi Allianceが標準化した近接通信技術で、対応するスマートフォンやIoT端末などがインターネットやアクセスポイントを介さずに近くのデバイスを発見・直接通信(P2P)できる技術です。
iOS 26・iPadOS 26からは、Apple製品同士の接続はもちろん、iOS ↔ AndroidやiOS ↔ Windowsといった異なるプラットフォーム間での通信も可能になりました。これにより、これまでApple製品内に限定されていた体験が、より多くのデバイス環境で活用できるようになります。詳細は「Supercharge device connectivity with Wi-Fi Aware」のセッションをご覧ください。
Wi-FiやBluetoothに依存せず、インターネット接続なしでも異なるプラットフォームのデバイスを自動的に発見・通信できる点が特に興味深いポイントです。接続時には確認コードで認証されるため、安全性も担保されています。WifiAwareおよびNetworkフレームワークを用いて実装可能です。
今回のアップデートにより、周辺機器との自動ペアリングや低遅延通信がよりシンプルに実現される見込みです。期待されるユースケースとしては、ファイル送受信の高速化、画面共有、オフラインでのコンテンツ同期などが想定されます。
これまでAppleはAWDLという独自のP2P通信技術を使用していましたが、EUの規制により、標準プロトコル(例:Wi-Fi Aware)への準拠が求められるようになったことが背景にあるようです。
今回のWi-Fi Aware対応を活かして、ZOZOTOWNで見つけた商品を近くのデバイスと画面・動画で共有しながら、ファッション体験を楽しめるようなシーンに応用できるのではと期待しています。
キャッチアップについて
去年はセッション動画の字幕をAIチャットボットに要約させてセッションを深ぼるべきか短時間で見極めていました。今年は去年以上のAIツールの進化を利用すべく、こうしたキャッチアップの効率化をさらに加速できないか試行錯誤しました。
今回試した手法の中でおすすめしたいのがNotebookLMにセッションのYouTube動画を追加して要約させる方法です。テキストベースのレポートに加えて、マインドマップ出力を用いて視覚的な理解を補助してくれます。また、日本語の音声要約を活かしてポッドキャストを聞くかのような体験でキャッチアップを手助けしてくれます。
WWDC初日からAppleがYouTubeの公式アカウントでセッション動画を全て公開してくれたからこそ思いついた手法でした。字幕の自動翻訳対応の恩恵を考えると、来年以降もYouTubeでセッション動画がすぐ見られるとありがたいです。
おわりに
今年のWWDCは公式サイトおよびAppleのYouTubeチャンネルでセッション動画が初日から全て公開されたり、Group labsのようなパネルディスカッションが用意されたりと、リモート参加者に対する創意工夫が感じられるイベントでした。来年のWWDCも楽しみです。
また、現地に参加された@ikkouのレポートと、@wirohaによるLINEヤフーとの合同報告会の記事もあわせてぜひご覧ください。
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