フロントエンドカンファレンス関西2025 参加レポート

フロントエンドカンファレンス関西2025 参加レポート

はじめに

こんにちは、ZOZOTOWN開発本部フロントエンドエンジニアの齋藤(@Jin_pro_01)です。

2025年11月30日に開催された「フロントエンドカンファレンス関西2025」に参加しました。本記事では、会場の様子やトークについてご紹介します。私自身LT枠での登壇もしたので、その内容についても記載しています。

フロントエンドカンファレンス関西とは

フロントエンドカンファレンス関西は、Webフロントエンド領域に関心のあるエンジニアやデザイナーを対象とした技術イベントです。カンファレンスのコンセプトは「IGNITE KANSAI(出会いが共鳴し、次の誰かを動かす)」。運営スタッフ・登壇者・参加者などすべての熱が混ざり合い、相互に影響しあうカンファレンスを目指すというテーマで開催されました。

会場の様子

今回の会場は「マイドームおおさか」の8Fでした。ワンフロアを貸し切り、2つのルームに分かれてトークが行われました。

マイドームおおさか前の看板
フロントエンドカンファレンス関西2025の看板
フロントエンドカンファレンス関西2025のバナー

トークの内容

どれも非常に興味深い内容でしたが、特に印象に残ったトーク、LTをご紹介します。最後に私が今回登壇させていただいた内容についても記載します。

なぜフロントエンド技術を追うのか?なぜカンファレンスに参加するのか?

speakerdeck.com

sakitoさんによる基調講演では、タイトルにある2つの問いに対する答えが語られました。カンファレンス参加者が共通で考えるべき問いを、sakitoさんなりに言語化して紹介するものでした。

まず「なぜフロントエンド技術を追うのか」という問いに対して、そもそもの技術の追い方としてビルドツールの変遷を例に挙げ、"点ではなく線で追う"というアプローチが紹介されました。ツールが多く流行り廃りも激しい領域であるフロントエンド技術の歴史的背景や経緯を追いながらキャッチアップしていく方法です。その中でそのツールはどういった思想のもとなぜ生み出されたのか、どんな時に真価を発揮するのかについて理解し、サービスの持つ課題に対して最も価値を発揮する技術を選定していく必要があります。そのために、フロントエンドの技術を追っていく必要があるという話がされていました。

次に「なぜカンファレンスに参加するのか」という問いです。カンファレンスはドキュメントには載っていない、実際に技術を使ってみた現場の生の声を聞ける場所で、さらに異なる現場での課題感やその解決策について参加者同士で議論できます。技術を追うだけでは得られない誰かの生きた知見を自身の知見にするために、あるいは自社に還元するためにカンファレンスに参加するという1つの答えを提示されていました。そしてフロントエンドカンファレンスにはフロントエンド技術に興味を持ち、課題を抱えた人たちが同じ目的で集まっています。そのような議論をするのにこれ以上適切な場所はないという話があり、私自身深く納得し、何度も頷きながら聞いていました。

このカンファレンスの最初に、「なぜカンファレンスに参加するのか」という問いが言語化され共有されたことで、参加者にひとつ火が灯されたように感じました。とても印象に残る基調講演だったので、早速その日の懇親会でもこの基調講演について直接お話を伺いました。

俺流レスポンシブコーディング 2025

speakerdeck.com

レスポンシブなWebサイトを作るためにどのようにコーディングするべきか、実際のコード例を交えたテクニックや考え方についての発表でした。

特に印象的だったのは、ピクセルパーフェクトではなく「デザインの意図パーフェクト」を目指すという考え方です。無限の変数の上に成り立つWebサイトでは、完全なピクセルパーフェクトは存在しません。また、CSSはスタイルの「命令書」ではなく「提案書」であるという発想も新鮮でした。定義したルールの中でブラウザに「よしなに」レスポンシブデザインを作り上げてもらう。どれも今後の開発業務に活かせる内容ばかりで、非常に勉強になりました。

このプロパティいつ使うん? 〜MDNのCSSリファレンス、全部読んでみた〜

www.arfes.jp

532個にも及ぶCSSプロパティをすべて読み、その中でも特に注目すべきCSSプロパティについて紹介する発表でした。

いつもの実装をちょっと楽にするプロパティ、悪用しても面白いプロパティ、これからの実装を大きく変え得るプロパティについてそれぞれ紹介があり、どれも興味深いものでした。Limited Availabilityのものもありましたが、実用例と合わせてまとめられており弊社のプロダクトでも活かせそうなものばかりでした。ちなみにすべてのCSSプロパティを読んだ記録はNotionにまとめられており、自分も挑戦してみたくなりました。

ソースマップはどのように元コードへの参照を保持するか

www.docswell.com

TypeScriptがJavaScriptにトランスパイルされた後、元のTypeScriptのどこがエラーの原因かを伝えるのがソースマップです。その内部実装が一体どのようになっているかについての発表でした。

変換されたソースマッピングの仕組みについて、5分のLTで47枚ものスライドを用いてわかりやすく詳細に解説されていました。普段あまり意識することのない領域だったため、非常に興味深かったです。

TypeScriptがブラウザで実行されるまでの流れを5分で伝えたい

speakerdeck.com

私も今回LT枠で登壇させていただきました。我々の書いたTypeScriptがどのようなプロセスを経てユーザーのブラウザ上で動くのかについて発表しました。

内容としてはTypeScriptが実際にブラウザで実行されるまでの流れをビルドプロセスとし、大きくトランスパイル、バンドル、ミニファイという工程の3つに分けて説明しました。それぞれどのようなことをするのか、どのようなツールを使うのか、実際にそれらのツールを使うとどのような入力からどのような出力がされるのかを資料にまとめています。

5分という限られた時間の発表での時間配分など、技術カンファレンスでの登壇は初めてで大変緊張し思うようにいかない部分もありましたが、学びの多い貴重な機会となりました。採択いただいたことに改めて感謝申し上げます。

おわりに

今回のイベントで同じ悩みや関心を持つ人たちと直接言葉を交わし、他社の現場の生の声を聞くことで多くの知見を得られました。そして、1つの目標としていたカンファレンス登壇を達成できた嬉しい日でもありました。各発表から得た学びに加えて懇親会での交流など、非常に楽しく、学びにもなる刺激的な一日でした。

最後に、素晴らしいイベントを企画・運営してくださった運営スタッフの皆さまに心より感謝申し上げます。来年の開催も楽しみにしています!


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