ZOZOでのリモート環境におけるオンボーディング改善の取り組み

OGP

はじめに

初めまして。ZOZOTOWN開発本部ZOZOTOWNアプリ部Android2ブロックの下川と申します。ZOZOTOWNアプリ部ではAndroidを担当するチームが今年の4月から2つになりました。1つのチームで運営するには人数が多くなってきたためです。そして私は新しくできたチームのリーダーを務めています。

この記事では、そんな2つになる前のAndroidチームがメンバーを増やすために、オンボーディングで抱えていた課題をどのように解決していったかを紹介します。

目次

オンボーディングに対する課題感

ZOZOでは入社後に人自部によるオンボーディングが実施されますが、部署配属後にも配属先ごとにオンボーディングを行っています。その中で私が所属している部署では、以前からオンボーディングに対して課題がありました。また、ZOZOではコロナ禍を機に多くの社員が自宅からのリモート勤務になりましたが、オンラインでのオンボーディング実施に対する課題も新たに出始めているところでした。それらの課題を列挙してみると、以下のようなものがありました。

  • 毎回オンボーディングの準備に時間がかかる
  • 実施すべきことが漏れてしまう
  • リモートだと新しいメンバーの状況が把握しづらい

所属している部署では、スムーズに新メンバーを受け入れられるよう上記の課題を解決するオンボーディングの仕組み化が急務でした。なぜなら、オンボーディングに時間がかかると新メンバーは中々チームや業務に馴染めず、チームの生産性が向上しないからです。さらに次の新しいメンバーを迎え入れることも難しくなってしまいます。そこでまずはAndroidブロックというチームの中で少しずつ改善していき、良かった部分は将来的に他の部署へシェアしていく形を目指して改善に着手しました。

課題解決に向けたアプローチ

最初に取り組んだのは、新しく配属されてくるメンバーにメンターを設定することです。メンターは新メンバー配属前に、チーム内で議論して決めるようにしました。時期や新メンバーのスキルに合わせてメンターを選出したいという意図があります。そのためメンターを担当するメンバーは固定ではありません。メンターになった人は主に以下のような役割を担います。

  • 新メンバーの業務のサポート
  • 必要なSlackチャンネルへの招待
  • 参加が必要なミーティングへの招待
  • 誰に聞けば良いか迷うような質問の1次受けの窓口

次にオンボーディングに関するドキュメントの整備をしました。ZOZOではドキュメント・ツールとしてConfluenceを使用しています。「オンボーディングの準備にかかる時間」と「実施すべきことが漏れてしまう」ことを改善するために、新しいメンバーが行うべき項目や手順をConfluence上にまとめました。具体的には、以下のような項目をドキュメント化しました。

  • メンターのやることリスト
  • 勤怠に関する注意事項
  • 業務上必要なツールの申請や設定手順
  • 業務の進め方に関する注意事項
  • 各種会議体についての説明

ドキュメントの整備は基本的なことですが、社員であれば誰でもアクセス可能な場所に情報が整理されている状態にすることは、最新の情報に安定してアクセスするのに最も効果の高い方法かと思います。特に「誰でもアクセス可能な場所」というのが重要で、もし情報が古くなっていた場合でも気づいた人がすぐに更新することが出来ます。

Confluence更新履歴

最近では社内ツールの利用申請で一部の申請方法が変わっていた場合などは、実際に申請した新メンバーがドキュメントを更新してくれることもあり、新メンバーが気軽にコミット出来る点でも良いなと感じています。また、適切に更新されているドキュメントがあると初めてメンターを担当する際の敷居も低くなりますし、オンボーディングを進める上でもメンターの負担がとても軽くなるなどといったメリットもあります。

続いての改善は、新メンバーのサポート面です。Slack上にオンボーディング専用チャンネルを作成し、オンボーディングに関するコミュニケーションを全てそのチャンネルに集約しました。これには2つ目的があります。

1つ目はメンター以外のメンバーでも、積極的に新メンバーのサポートを出来るようにすることです。オンボーディング中はメンターが中心となってサポートしますが、メンターの人も通常業務を抱えているためすぐにサポート出来るとは限りません。そのため、新メンバーの困り事をメンターでなくても素早くキャッチ出来るよう、通常の開発業務で使用しているチャンネルと分けました。

2つ目は、オンボーディングに関する過去のやり取りを見つけ易くするためです。ドキュメント化を進めていても、やはり「前回はどうしたのだろう」や「なぜ今の形になったのだろう」など過去のやり取りを見返したいケースは発生するため、専用チャンネル化することで解決しようという狙いです。

Slackのオンボーディング・チャンネル

また、新メンバーの自主性に頼り過ぎないよう、新メンバーの状況把握も改善しました。ZOZOでは原則週1回の頻度で上長との1on1を行っていますが、新メンバーはそれにプラスしてメンターと毎日1on1を行うようにしています。新メンバーが分からないことや困っていることを、少しでも早く解決することが目的です。これらのサポート体制の仕上げとして、メンターは1か月間のオンボーディングの終わりに上長や新メンバーと一緒に次のオンボーディングに活かせるよう振り返りを実施しています。

振り返りのMiro

最後に紹介する改善は、コミュニケーションに関するものです。普段使用しているコミュニケーション・ツールはSlackとGoogle Meetです。それ以外にも気軽に話せるようにという目的でDiscordも併用しています。最近ではあるメンバーがメンターをしたときの発案で、それらを活用してWelcome Coffee Chatという時間をオンボーディング期間中に設ける試みも行いました。1内容としては、新メンバー+既存メンバー2〜3人くらいの規模を複数回に分けて開催し、新メンバーが全員と話せる会としました。話す内容も学生時代のことや趣味についてなど、お互いのことを知ることが目的となるようなテーマを設定しました。どうしても業務中に新メンバーへ話し掛けるタイミングが(とりわけリモートだと尚更)難しいため、交流する時間をイベントとして設定することで新メンバーと雑談出来るのはとても良かったです。

Welcome Coffee Chat

様々な取り組みの成果

以上のような改善を段階的に進めてきた結果、次のような成果が得られました。

1つ目はオンボーディングに関するドキュメントを整備および継続して更新してきたことによって、準備にかける時間が短縮され、オンボーディング開始後もスムーズに進行出来るようになったことです。また、新メンバーが配属後に数日経ってから「利用申請してないものがある」や「アレまだやってない」などということがほぼ無くなりました。

2つ目はサポート体制を改善したことによって、リモート勤務下でもスムーズにチームや業務に慣れていってもらうことが出来るようになったことです。その結果、その時の業務の状況にもよりますが、新メンバーが配属後3日〜5日でPull Requestを出せるようにもなりました。

ただし、まだ改善が足りていないなと感じる部分もあります。冒頭にもご紹介しました通りチームの規模も大きくなってきました。そのため新メンバーがメンターや上長以外の既存メンバー全員とのコミュニケーションの機会を得るのが難しくなってきています。先のWelcome Coffee Chatやオンラインでの歓迎会などを試しているものの、まだまだ改善の余地があると考えています。また、新メンバーが最初に取り組む丁度良い粒度のタスクが常にあるとは限らないため、チュートリアル的なタスクなどが用意出来ると良いのか、などといった検討も必要だと感じています。

最後に直近1年のオンボーディングの振り返りで、新メンバーからもらったフィードバックを紹介します。

  • 良い点
    • 改善系タスクから入ったのはやりやすかった
    • 3日目ぐらいからコード書けたのが良かった
    • 入社してからやることがドキュメントにまとまっていて、漏れなくスムーズに環境整備ができた
    • メンターの方と毎日1on1をしていただけたため、些細な疑問や相談事を解消しながら業務に取り組むことができた
    • リモートワークでのスタートだったためチームに馴染めるか不安だったが、Welcome Coffee Chatや歓迎会などでチームのメンバーと趣味や休日の過ごし方など雑談する場があったのでよかった
  • 今後改善が必要だと思われる点
    • コードの量が多くてオンボーディング中に把握しきれない
    • 担当が付くことで他のメンバーとのコミュニケーションが少なくなってしまう
    • 申請が通るまで使えないツールがあり、作業をブロックされることがしばしばあった
    • 自分は導入に最適な軽い案件が運良くあったのでキャッチアップが楽だったが、そのような案件が無い場合のプランが未定
    • Coffee Chat以降案件メンバー以外との会話する場があまりない

このように新メンバーからも積極的にフィードバックをもらうことで、既存メンバーの認識が薄い箇所もしっかりと改善していけるよう工夫しています。

最後に

ZOZOではAndroidエンジニアを募集しています。ご興味のある方は下記リンクからぜひご応募ください。

hrmos.co


  1. いくつかのチームではGatherというコミュニケーション・ツールを試用していおり、Welcome Coffe Chatを行ったときもGather上で実施しました。

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