ZOZOTOWN Androidチームで内定者アルバイトをした話

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はじめまして。2023年4月に新卒として株式会社ZOZO(以下ZOZO)に入社しました、財部彰太(たからべ しょうた)と申します。

この記事では、現在私が所属しているZOZOTOWN開発本部ZOZOTOWNアプリ部にて2022年5月から2023年3月までの期間で参加した内定者アルバイトについての話をさせていただきます。参加した理由、結果、そしてアルバイトを通して知った会社・チームの素敵な点を紹介させていただきます。ZOZOに興味がある人、内定後の動きに不安がある人、そもそも新卒でエンジニアとして働くか迷っている人、色々な人に読んでいただけたら幸いです。

内定者アルバイトとは

内定者アルバイトとは、内定承諾から入社までの期間を利用して、アルバイトとして内定先で就業できる仕組みのことです。

私が内定者アルバイトに参加した目的

内定者アルバイトを行うメリットは以下の点があると考えております。

  • 実際の業務に参加することで、自分の興味があることや得意なことを入社前に見極めることができる
  • 内定者時代から入社後の業務や環境に慣れることができる
  • 部署の雰囲気を知ることで、配属後のミスマッチを減らすことができる

上記のメリットを踏まえて、入社後に好調なスタートを切るために、私は内定者アルバイトに参加しました。

ZOZOでの内定者アルバイトとは

ZOZOでは、就活の選考時に志望している職種以外のポジションにアルバイトとして応募、参加が可能です *1

入社後の活躍イメージが想像できず不安、今後の主軸としていく職種が定まっていない、配属後の業務内容の解像度を上げたい、入社までにスキルアップしたいなどの悩みや希望がある方も多いかと思います。内定者アルバイトの機会を上手く活用することで、不安解消に繋がり安心して入社できるかもしれません。

ZOZOの開発部門はフルフレックス制度を導入しており、自分にあった形で働くことができます。アルバイトについてはシフト制のためフルフレックス制度ほどの自由度はありませんが、基本的に希望に沿ったシフトが組めますので、学業に支障のない範囲での勤務が可能です。

実際にアルバイトをした部署、チームの話

私は2022年2月に内定をいただき、同年の5月から翌年2023年3月の大学卒業までの11か月間ZOZOTOWNのAndroidアプリを開発するチームで内定者アルバイトを実施しました。

なぜZOZOTOWN Androidチームにしたのか

私がZOZOで働きたいと思ったきっかけは、昔からZOZOTOWNアプリが好きだったからでした。使いやすく、デザインもとても可愛い。そして内定後、アルバイトの募集一覧を見たときにZOZOTOWNアプリの募集があり、ここしかないと思い応募しました。ZOZOTOWNアプリに関する募集はiOS/Androidともにありました。その中から、元々私がAndroidユーザーかつ、Androidエンジニアとして学習を行なっていた経緯から、Androidチームを希望しました。

ZOZOTOWN Androidチームはどんなチームなのか

2023年7月時点で、ZOZOTOWN Androidチームは10名程度の規模で構成されています。

チームのコミュニケーションはSlack、Google Meet、Miro等で行われています。チームには沢山の文化があります。全てを紹介するのは無理なので、私が特に素敵だと感じた文化を2点紹介します。

  1. チームとして新しい知識を取得するための時間を業務時間中に多く設けている
  2. お互いのいいところを積極的に見つけていく文化がある

素敵な文化(1) チームとして新しい知識を取得するための時間を業務時間中に多く設けている

現在ZOZOTOWN Androidチーム内で行なっている勉強会は多数ありますが、この場では3つ紹介させてください。

毎日の朝会後の読書会

この会では、テックリードが中心となって本を読んでいきます。30分×週3回の頻度で行なっていて、本の長さにもよりますが、だいたい2か月で1冊読み終えているペースです。ただ読むだけではなく、テックリードによる解説や、メンバーの経験談の共有、質問の受け答えの時間が設けられており、双方向のやり取りで理解を深められる形になっています。読書会の中での疑問点や、会話の内容はMiroを使用してまとめています。

これまでに、『読みやすいコードのガイドライン』、『かんたんUML入門』、『Clean Architecture』といった本を読書会の中で読んできました。

週に1度のAndroid技術活動会

この会は、週に1度、1時間の頻度で行なっています。AndroidDagashiAndroid Developers Blogの新着記事、JetpackのライブラリやAndroid Studioの新しいリリース内容といった最新情報を追ったりしています。他にも、困り事の相談や、チーム内のガイドラインの更新があった時に共有する時間にもなっています。こちらもテックリードが主導して行なっています。

月に1度のデザイナーと共に行うMaterial Design勉強会 & 実装会

Material DesignはGoogleが提唱しているデザインシステムであり、Androidプラットフォームではこちらのデザインシステムに準拠することが推奨されています。こちらの会はそのMaterial Designをデザイナーと共に学習し、プロダクトに反映させていくというものです。詳細は別記事の『AndroidアプリをMaterial Designのガイドラインに準拠させるための取り組み』で紹介しています。

こうした時間を業務内に確保してくれることで、なかなか業務外だと本を読んだり記事を読んだりする時間が取れない人でも、会を通じて着実にインプットできます。

素敵な文化(2) お互いのいいところを積極的に見つけていく文化がある

ZOZOTOWN Androidチームでは週1度振り返りが行われています。振り返りの中ではKPTを行なったり、次の1週間のタスクの計画を立てたりします。

その中で、私が特に素敵だと思った文化が、「今週のいいね」です。今週のいいねでは、この1週間でいいねと思ったことを下記のようにMiroで作られたフォーマットに書き出して発表します。

今週のいいねのフォーマット

いくつか抜粋して紹介します。

いいねの抜粋

積極的でいいねといった内容だったり、ちょっとした小話的な内容もあったり、この新しい取り組みがいいねと言った内容もあります。最後の1枚はネーミングセンスを鍛える取り組みについての内容ですが、こちらは同チームのテックリードによるものです。興味がある方は、別の記事でまとめられている「ネーミングセンスを鍛える会の取り組み」を覗いてみてください。

毎週の振り返りでは、こういった「いいね」が20個、多いときは40個集まる時もあります。褒められて嬉しいし、褒めても明るい気持ちになれるし、とっても素敵な文化だと感じています!「今週のいいね」でいい体験をして、次の週ではさらに同僚のいいところを見つけていこう、自分もいいところを作っていこうとしていけるので皆が幸せになれますね。

こういったお互いのいいねを送り合うことは、部署を越えて行なったりもしています。

フルリモートワークでも問題なかったか

内定者アルバイト期間、私はフルリモートで働きました。ZOZOのエンジニアはリモートワークをするか、オフィス出社をするか選択できます。ZOZOTOWN Androidチームはリモートワークの方が多いです。

リモートで働き始めると、場合によっては困難に直面することもあると思います。環境構築のつまずき、孤独感、人によって様々なストレスを感じるでしょう。新卒や学生のような経験が浅い場合だと尚更です。しかしZOZOTOWN Androidチームは以下のような形でアルバイトに参加でき上記の困難に遭遇せずに働くことができました。

朝、夕に行う進捗、困りごと共有

アルバイトとして入社して3か月の間、朝と夕にメンターと上長の3人で進捗や困りごとを共有する時間をいただいていました。人によっては多く感じる頻度かもしれませんが、私にとってはとてもありがたかったです。技術的な相談はもちろん、壁打ちの時間としても有効活用できました。チームに参加してすぐのタイミングだと、自分でも気づかないうちに間違った方針で進めてしまうこともあると思います。朝、夕の頻度で共有の時間をいただけて方針の修正ができてとても助かりました。

週2回の1on1

ZOZOでは社員の成長を支援するために、上長と1on1をする制度があります *2。 こちらは正社員向けの制度ではありますが、ZOZOTOWN Androidチームではアルバイトの期間でも行なっていただきました。私のチームでは上長、テックリードとそれぞれ週1度1on1を実施しています。1on1では困りごとの共有、この先数年単位でどんなことをしていきたいか、キャリアにしていきたいかといった話や、気軽な雑談も行われます。キャリアや仕事の話ももちろんありがたかったですが、私にとっては気軽な雑談を行えるのがとても嬉しかったです。ZOZOに来るまでにもリモートワークを少しだけ経験しましたが、どうしても気軽な雑談が減ってしまい、同僚の人となりや趣味といった情報がなく、少しだけ無機質に感じることがありました。同じように感じる人も多いと思います。ZOZOでは1on1を通じて、より同僚を身近に感じることができるようになりました。結果的により何でも話せるようになり信頼が深まったように感じます。1on1のおかげで孤独感を感じることなく働くことができました。

実際に行ったタスク

約1年間の内定者アルバイトの中で、色々なタスクを行いましたが、今回は最初にいただいたタスクについて紹介しようと思います。

Android AnnotationsをZOZOTOWN Androidアプリから剥がす

タスクの提案をいただくにあたって、アルバイト配属前の面談で以下のような希望を出していました。

  1. ZOZOTOWN Androidアプリの広い範囲をよく知りたい
  2. エンジニアとしての能力を向上したい

それに対して提案をいただいたのが、この「Android AnnotationsをZOZOTOWN Androidアプリから剥がす」というタスクになります。Android Annotationsはアプリの広い範囲で使われていて、改修する中でアプリの広い範囲に触れることができ、1つ目の希望と合っています。またAndroid Annotationsは古くから存在する画面で多く使われていたため、改修する中で現在チームが推進しているアーキテクチャに刷新していく必要もありました。チームが推進したいアーキテクチャを理解できるという点で、2つ目の希望にも合っています。

このタスクの背景としては、ZOZOTOWN Androidチームがビルド時間増加を課題と認識していたことが挙げられます。ビルド時間を短くするための手段として、kaptをKSPへ移行することが有効です。このKSPへの移行のためには、KSPに対応していないライブラリをアプリから剥がす必要があり、Android Annotationsは剥がす必要のあるライブラリの1つでした。Android Annotationsを剥がすタスクは、自分の希望に沿うのみでなく、プロダクトの課題解決にもつながるとわかり、より意欲が高まりました。

どのように進めたか

私は当時、週に3日間(月曜日から水曜日)働いており、1日8時間の作業時間を確保していました。毎週月曜日にその週のタスクを計画し、水曜日までに完了しなかったタスクはメンターに引き継ぎました。実装後は、メンターと2人のチームメンバーによるレビューを受けて修正作業を行いました。タスクはクラス単位で分割され、修正が完了するたびにプルリクエストを提出しました。

結果

最終的に全体の5割のタスクを任せてもらい、およそ1か月半でリリースまで持っていくことができました。KSPへの移行はほかのライブラリが原因でできてはいませんが、1つ大きな障害を取り除くことはできました。

もともとの希望も叶えることができました。1つ目の「ZOZOTOWN Androidアプリの広い範囲をよく知りたい」という希望に対しては、リニューアルが行われていたホームタブ以外のタブは全てこのタスクの中で読むことができました。結果、「〇〇の画面に機能を追加する」といった話があった時に、おおよその改修箇所の目星をつけられるようになりました。

2つ目の「エンジニアとしての能力を向上したい」という希望に対しても、古い画面にチームが現在推奨しているアーキテクチャを適用していく中で、アーキテクチャへの理解を深めることができました。また非同期通信をKotlin Coroutinesに刷新する必要がある時に、理解が浅かった自分のためにメンターの方が1時間以上かけて説明をしてくださるなど、自分が予想していたよりも遥かに多くの学びの機会を頂く事ができました。 レビューでも自分では気がつけない多くの改善点を教えてくださり、こちらでも多くの学びを得ました。メンターの方、レビューをしてくださった方、本当にありがとうございました。

タスクを通して、自分が触ってきたアプリの裏側を見ることができて純粋に嬉しかったことを覚えています。またレガシー部分を刷新していく楽しさも強く感じました。アーキテクチャへの理解を深められることはもちろん、これまでユーザーに使ってもらえてきた画面が改修によってより長い期間存続できるようになると思うと、とても嬉しいです。

内定者アルバイトに参加した目的は達成されたのか

冒頭では、私が内定者アルバイトに参加する目的は入社後に好調なスタートを切ることとお話ししました。こちらの目的は達成できたと考えております。最終的に私は、社員としての本配属もZOZOTOWN Androidチームに希望を出し、そのまま配属させていただいて、自分が望む環境とのミスマッチがなく働けていると感じています *3。入社後大きなトラブルなくタスクの着手ができ、今後どのようなことをしていきたいかといった数年単位の話も具体的に考えることができました。アルバイト期間の経験があってのものだと思います。

余談

ZOZOは2019年からDroidKaigiに協賛しており、今年のDroidKaigi 2023にもブースを出展いたします! ぜひお越しください。

そんな2022年のDroidKaigi 2022では、チケット代を負担していただき、ブースにも参加しました。DroidKaigi 2022は自分にとって、オンラインオフライン問わずに初めてのカンファレンスでした。いろんな会社のブースで、普段聞けないお話を聞けるなど、オフライン参加ならではの体験が出来たためとても感謝しています。

droidkaigiのブース

最後に

ZOZOでは新卒、中途問わずAndroidエンジニア、そしてインターンシップを募集しています。ご興味のある方は下記リンクからぜひご応募ください。

hrmos.co

2025新卒_就業型インターン(ZOZOTOWN/Androidエンジニア):https://public.n-ats.hrmos.co/zozo/jobs/1852303323965423616

*1:2023年7月現在

*2:福利厚生について https://corp.zozo.com/recruit/welfare/

*3:配属方針は年度ごとに異なる可能性があります

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