エンジニアの登壇をサポートするZOZO DevRelの取り組み

エンジニアの登壇をサポートするZOZO DevRelの取り組み

はじめに

こんにちは。DevRelブロックの@wirohaです。DevRelブロックはエンジニア組織の技術広報・技術ブランディングを担っており、TECH BLOGの運営や登壇支援、技術カンファレンスへの協賛などを行っています。本記事では登壇支援にフォーカスし、実施している取り組みや工夫を紹介します。

目次

背景

技術イベント・カンファレンスでエンジニアが登壇することは、自社の技術や組織を広く知ってもらうための重要な手段です。登壇者にとっても、説明するために深く調べること、伝わるように話すこと、フィードバックをもらうことは学びにつながります。交流によりモチベーションが向上することもあるでしょう。

登壇するのが良いことだと思ってはいても「何を話せばいいか思いつかない」「準備に時間がかかる」「書いた内容が適切か自信がない」といった方は多いかと思います。DevRelはそれらの障壁や不安をなるべく取り除くために、次の取り組みをしています。

  • 登壇機会の発見・創出
  • 登壇資料を作成する際のサポート
  • 登壇時のサポート

それぞれの具体的な実施内容を紹介していきます。

登壇機会の発見・創出

カンファレンスのCfPネタ出し会・レビュー会を開催

技術カンファレンスでセッションの募集がはじまったら、社内に告知しネタ出し会・レビュー会を開催します。DevRelではなくエンジニアの主導で開催することも多くあります。ひとつのGoogleドキュメントに各自のプロポーザルを下書きし、相互にレビューコメントを残しながらディスカッションしていきます。

複数の案を出してどれがよさそうか相談することや、他の人のプロポーザルを見ることで新しく話すネタを思いつくこともあります。技術顧問の方にレビューいただくなど自信を持って応募できるクオリティにブラッシュアップして、採択されるようみんなで取り組んでいます。

レビューの実例。アイディアを出し合っています。

自社イベントの開催

ZOZOではランチタイムに開催する「ZOZO Tech Talk」と、夜に開催する「ZOZO Tech Meetup」の2つのシリーズでイベントを運営しています。元々は夜の「ZOZO Tech Meetup」のみでしたが、短時間で気軽に参加できるオンラインのランチタイムイベントも2年ほど前からはじめました。育児などにより夜は時間を取りにくい方も、ランチタイムならば登壇できることがあります。夜の開催形態はオンライン・オフライン・ハイブリッドがあり、登壇者の希望をもとに決めています。

テーマは特定の技術分野に偏らず、さまざまなエンジニアが参加できるよう心がけています。言語だけではなく「物流システムリプレイス」といった珍しい切り口でのイベントは非常に盛り上がりました。

社外イベントの登壇者募集の情報をSlack上で告知

社内のSlackにおすすめの勉強会や登壇者の公募情報を流すチャンネルがあり、適宜情報を発信しています。情報を知りたいイベントのconnpassグループのメンバーになっておき、イベント公開のメール通知をトリガーにDevRelが手動で共有しています。自動で流す方法も検討したのですが、学生向けなど社員は参加できないイベントがあることと、情報が多すぎてもノイズになってしまうことから、精査して展開する方法にしました。

現在はconnpass以外のイベントは気付いた人が共有しており、その他プラットフォームでのイベント情報も把握・紹介し登壇機会を増やしていきたいと思っています。また新しいconnpassグループの見つけ方も今後の検討事項です。

登壇資料を作成する際のサポート

登壇資料デザインテンプレートを作成・改修

登壇資料を作成する上での手間を減らし品質を向上できるように、スライドのデザインテンプレートを用意し適宜更新しています。

登壇資料デザインテンプレート

このテンプレートを使うと次のメリットがあります。

  • 一からテンプレートを作成する手間や、適したテンプレートを探す手間が省ける
  • 統一したブランドイメージで発信できる
  • 最新の正しい情報を手間なく掲載できる
  • フォントサイズやレイアウトの推奨・提案に従い、読みやすいスライドを作成できる
  • 書き方の例やノウハウもあわせて知ることができる

スライド作成時のノウハウはたとえば次のものがあります。

  • 黒背景はプロジェクター投影時に見づらくなる
  • いらすとやさんの素材を商用利用する場合、無償で使えるのは1つの制作物につき20点までの制限がある
  • フォント設定次第でSpeaker Deckへアップロードした際の崩れを防止できる

Speaker Deck上で白抜きのように崩れてしまっているフォント(上)と崩れないフォント(下)

慣れていないと知らない知識ではないでしょうか。伝えたい内容がきちんと伝わるように、そして内容自体の検討にフォーカスできるようにテンプレートを進化させています。

使いやすい素材情報を集約

スライド作成時、適した画像を探すのに時間がかかってしまい、なかなか本題部分の作成が進まないことはよくあります。そこでスライド資料に使える画像素材の情報をまとめたページを作成しました。各プラットフォーム公式によるロゴ・アイコンの配布元情報や、商用利用が可能な素材情報を紹介しています。このまとめは非常に好評です。

登壇資料に使える画像素材のまとめページ

DevRelと広報による登壇資料レビューを実施

業務で登壇するスライドについてはすべてレビューを実施しています。社外秘情報が含まれていないか、著作権上のルールを守れているか、誤字脱字・正式表記の誤りがないか、情報が古くなっていないかなどをチェックします。読みやすいフォントサイズ・コントラスト・レイアウトなど、伝わりやすさの観点でのレビューもします。レビューを通すことで「この内容で大丈夫だろうか」という不安を解消できます。

登壇時のサポート

登壇リハーサルを開催

カンファレンスでの登壇の際には、希望者を対象に登壇のリハーサルを実施しています。資料の可読性や内容の伝わりやすさ、スムーズにデモができるか、聞きやすい速度で話しているかなどをお互いに確認します。

私自身も登壇者としてリハーサルをしてもらった際は、初見の人にはわかりづらい点など自分では気付かなかった部分を数多く教えてもらえてとても助かりました。大見出しごとにかかった時間を記録してくれていたため、当日はその記録を頼りにペース配分をしてちょうど良い時間で終えることができました。緊張を和らげ、自信を持って登壇するためにもリハーサルは非常に有効です。

事前収録の実施

オンラインで自社イベントを行う際は、基本的に発表の事前収録を実施しています。失敗してもやり直せる、編集で直せるという安心感をもって発表に臨めます。ネットワークの調子が悪く途切れてしまったり、Slack通知により業務情報が露出してしまったりといったトラブルの対策にもなっています。

アフターサポート

オフラインでの登壇の場合は良いカメラで撮影し、登壇者にお渡ししたり、レポートブログを書いたりして成果をしっかり残すようにしています。参加できなかった人に様子を伝えてより広められるだけでなく、成果を可視化することで登壇してやってよかったと感じてもらえるのではと考えています。

まとめ

本記事ではDevRelでの登壇支援の取り組みを「登壇機会の発見・創出」「登壇資料を作成する際のサポート」「登壇時のサポート」の3段階に分けて紹介しました。登壇する方・登壇を支援する方の参考になれば幸いです。今後もDevRelではさらなる支援の拡充と効率化をしていきたいと考えています。

ZOZOでは、一緒にサービスを作り上げてくれる方を募集中です。登壇をしたい方はDevRelがサポートします。ご興味のある方は、以下のリンクからぜひご応募ください。

corp.zozo.com

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