【イベントレポート】Kubernetes活用の手引き 私たちの基盤構築・運用事例 Lunch LT

はじめに

こんにちは。ブランドソリューション開発本部WEARバックエンド部SREブロックの山岡(@ymktmk)です。

2024年1月25日にFindy社によるオンラインイベント「Kubernetes活用の手引き 私たちの基盤構築・運用事例 Lunch LT」が開催されました。このイベントでは、株式会社メルカリさん、株式会社MIXIさん、LINEヤフー株式会社さんから一人ずつ、弊社からも私がLTをしてきましたので、こちらのブログでも報告いたします。

findy.connpass.com

登壇内容

今回のイベントでは、以下のような方をターゲットとして、各社からKubernetesに関する取り組みを紹介しました。

  • 他社のKubernetes活用事例を知りたい方
  • Kubernetesを運用するための工夫点や検討すべき点を知りたい方

私からは、「Kubernetesを活用した開発者体験向上の取り組み」というタイトルで発表いたしました。

speakerdeck.com

発表内では、弊チームがこれまで取り組んできた開発者体験の向上施策のうち、「負荷試験基盤」と「Pull Request毎のPreview環境」の2つの事例を取り上げてお話ししました。以下は今回の発表の要約です。

負荷試験基盤

弊チームの負荷試験では各々が異なる負荷試験ツールを使用しており、統一されていませんでした。そのため、チームにおける負荷試験のノウハウの蓄積が難しく、特に新規メンバーは負荷試験の実施が容易ではありませんでした。

そこで、使用するツールをK6に統一し、k6-operatorとGitHub Actionsを活用した負荷試験基盤を作成しました。これにより、負荷試験の実施者は、テストシナリオをGitHubにPushし、実施したいタイミングでGitHub Actionsのワークフローを手動実行するだけで負荷試験が可能になりました。

導入後の効果としては、負荷試験を手軽に実施できるようになり、負荷試験のハードルが下がりました。また、+αの効果として、GitHubでテストシナリオを管理するようになったため、過去のシナリオを再利用できるようになり、負荷試験の準備やレビューが容易になりました。それにより、負荷試験の妥当性が向上し、心理的な負担も軽減しました。

Pull Request毎のPreview環境

私たちが担当するWEARはローンチから10周年を迎えており、10年間の技術負債を解消すべく、Webフロントエンドをリプレイス中です。リプレイスにおいて、旧環境のUIと比較しながらレビューすることが多いため、負担が大きいことや、デザイナーを巻き込む場合にはStaging環境を使うため、他の機能のリリースを妨げていました。また、VercelやHerokuなどのモダンなPaaSに備わっているPreview Deployment機能を使った開発者体験を求める声が多く寄せられていました。

そこで、Argo CD Pull Request Generatorを活用し、Pull Request毎にVirtual Service、Service、DeploymentのセットをKubernetesクラスターに適用することでPreview環境を実現しました。

導入後の効果としては、「Pull Requestのレビューがしやすくなりました」「開発スピードが爆上がりしました」などの嬉しいフィードバックをいただきました。現在では、フロントエンドチームが作成するPull Requestの半分以上はPreview環境が活用されています。

まとめ

Kubernetesは高い拡張性を活かして様々な機能開発ができます。弊チームでは、k6-operatorを使って負荷試験基盤、Argo CD Pull Request Generatorを使ってPull Request毎のPreview環境を実現しています。Kubernetesと開発者体験の向上はとても相性が良いです。運用において発生した課題を解決するためOperatorの導入や開発に取り組んでみてはいかがでしょうか。

10分という短い時間でしたので詳細なことは話せませんでしたが、これらの事例の技術面にフォーカスした話は、弊社のTechBlogやイベントで発表していますので、ぜひご覧ください。

techblog.zozo.com techblog.zozo.com

登壇後の所感

登壇後のフィードバックやX(#k8s_findy)の実況を拝見すると、「k6-operator」や「Argo CD Pull Request Generator」といったKubernetes Operatorに対する関心が高いようでした。弊社での活用事例が参考になったとの声もいただき、大変嬉しく思います。

普段、社外からチームの活動に対する評価をいただく機会が少ない中、このような登壇の機会を頂けたことをとても感謝しています。今後も機会がありましたら、新たな情報発信ができればと思います。

謝辞

本イベントはFindy社の主催でしたので、Findyの方々には様々なサポートをしていただきました。そして、登壇に至るまでサポートしてくれた社内のDevRelチームや弊チームにもこの場を借りて感謝申し上げます。また、ご視聴いただいた皆様ありがとうございました。

おわりに

ZOZOでは、プロダクト開発以外にも、今回のようなイベントの開催や登壇など、外部への発信も積極的に取り組んでいます。

一緒にサービスを作り上げてくれる方はもちろん、エンジニアの技術力向上や外部発信にも興味のある方を募集中です。ご興味のある方は、以下のリンクからぜひご応募ください!

corp.zozo.com

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