ZOZOTOWNの取寄せ商品サービスの取り組み

ZOZOTOWNの取寄せ商品サービスの取組み

基幹システム部ブランド連携チームの三橋です。ZOZOTOWNとお取引きをさせていただいているテナント様とのデータ連携部の開発・保守運用を行っております。

TECH BLOGという事で技術的なところにフォーカスした記事が多いのですが今回はZOZOTOWNの主要なサービスでもある取寄せ商品を業務・システム面より(業務系強めの記事として)ご紹介させていただきます。なお、先日公開されました同チームメンバーのブログZOZOBASEの出荷データ連携を支えるAPIも併せてご覧いただけると幸いです。

取寄せ商品ってナニ?

取寄せ商品とは、ご注文受付後に販売ショップの店舗や倉庫から取り寄せる商品のことです。取寄せ商品は、カートに入れた時点で「取寄せ商品」と表示され発送までの期間が表示されます。 backorder_smp

取寄せサービスを導入した経緯と意義

要はZOZOBASEに在庫がない商品でもテナント様の倉庫や店舗に在庫があれば、ZOZOTOWNから取寄せ注文ができるというサービスなのですが下記のような目的を持って生まれました。

顧客満足度の向上

お客様のZOZOTOWNに対する不満の第1位は『欲しい商品の在庫がない』こと。

ZOZOTOWNの倉庫であるZOZOBASEにある商品(在庫)が欠品した場合、次回の入荷があるまでお客様は購入できず機会損失となっていました。そこで、テナント様倉庫・店舗にて保持する在庫をお客様が購入できたらそれを解決できるのではと考えました。

テナント様全体での在庫消化率の向上

プロパー消化率(定価での販売割合)が上昇し、利益率の向上の一手につながります。

ZOZOTOWNの実在庫での販売フローと取寄せ商品での販売フロー

ZOZOTOWNの実在庫での販売フローと取寄せ商品での販売フローを以下にまとめました。 backorder_flw1

ZOZOTOWNの実在庫での販売フロー

(1)テナント様よりZOZOBASEへの出荷指示
(2)テナント様倉庫よりZOZOBASEへ商品を出荷
(3)ZOZOBASEにて商品を荷受検品しZOZOTOWNの販売可能個数(実在庫)となる
(4)ZOZOBASEの在庫数分受注が付いた場合、在庫切れ状態となってしまう

ZOZOBASE内にある実在庫でのみ商品購入可能であるため実在庫以上の受注は取れず機会損失となります。

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ZOZOTOWN取寄せ商品フロー

(1)テナント様倉庫・店舗在庫情報をZOZOTOWNへ連携し販売可能数(取寄在庫)となる
(2)ZOZOBASE在庫が無くても販売可能数(取寄せ在庫)にて受注が可能となる
(3)取寄せ在庫での受注後、毎朝倉庫・店舗スタッフ様宛に受注した商品情報をメールにて配信
(4)集配業者への集荷依頼情報を連携
(5)集荷スタッフがテナント様店舗へ商品集荷に伺う
(6)商品集荷後ZOZOBASEまで商品を移送
(7)取寄せ注文に入荷した商品が引き当たりお客様へ発送処理。また、商品入荷が無く取寄せ期限を過ぎてしまった場合は取寄せ不可となり注文のキャンセルと共にお客様へお詫びのメールを通知。

ZOZOBASE内の実在庫を売り切った場合、取寄せ在庫での購入が可能となりテナント様の倉庫や店舗の在庫で受注をとれるため『欲しい商品の在庫がない』が解消され顧客満足度の向上につながりテナント様全体での在庫消化率も向上といった効果が見込めます。

欠品対策について

取寄せ商品のためテナント様倉庫、店舗にて同タイミングで注文がついて欠品となる場合もあります。

テナント様へのご連絡(以後「配分」と呼ぶ)後、取り寄せまでの期限を超過してしまったものが取寄せ不可になるのは理解できるけど、その期限までただ待つだけ?欠品対策は?(と思った方は鋭いです。是非こちらまで。)

ここからは、そのような課題の中でも、欠品対策について紹介します。

欠品対策について

取寄せ商品の受注よりテナント様への配分は2回実施

初回配分から2日後までに入荷が無ければ、3日目に初めに配分した店舗以外の他倉庫・店舗に配分されます。要求のリトライ処理という位置づけです。

配分フローの簡単なイメージを図で示します。 backorder_flw3 ※キャンセルメール・・・N+5日までに検品完了されなければ、お客さまに自動配信

取寄せ商品の入荷は優先で検品

取寄せ商品が納品されたものの検品作業が遅れてしまい入荷期限切れでキャンセルされてしまう事もあるため、ZOZOBASEでは取寄せ商品用の検品作業は優先的に行われます。

販売可能数には閾率を掛けて販売

閾率とは販売してはいけない数量を算出する割合です。

テナント様倉庫、店舗にて購入等での欠品リスク防止のため閾率を掛けたもので販売可能数が決まります。

テナント様の在庫コントロールも各々で違ってくるため決定方法は2パターンから選択可能としました。 backorder_rate_A backorder_rate_B ※SKU=とある商品の1つのカラー・サイズの組み合わせ

監視について

当然ながら監視も行っています。

残念ながら詳しい画面はお見せできませんが各倉庫、店舗へ配分された回収率の推移を可視化して監視しており、回収率が低い店舗が出てきた場合は弊社営業とテナント担当者様で協議し、閾率の見直しや優先店舗のコントロール、店舗スタッフ様への伝達等をして改善していく運用をしています。

また、閾率の設定、ヒューマンエラーによるミスが大量キャンセルなどの障害にも繋がってしまうためアラート監視を実施しており、何か異常があれば都度対策を講じています。

テナント様が取寄せサービスを導入するまでのハードル

この取り寄せサービスはZOZOTOWN側だけの準備・設定だけでは実現できません。

以下のようにシステム面・運用面でテナント様にご協力をいただく必要があります。

テナント様側のシステムに関する準備

テナント様倉庫・店舗在庫の情報を連携する必要があります。自動化していない場合には管理画面上で都度アップロードしてもらう運用が発生します。そのあたりの運用を自動化できるようAPIの提供もしていますが、APIを利用する場合はテナント様側の開発が必要となってきます。

店舗のオペレーション変更

毎朝取寄せ注文の連絡が配信され、店舗スタッフは受信した商品情報をもとに取寄せ商品を確保し、当日配送業者の集荷スタッフに商品を渡して頂きます。

普段の店舗での業務に加えてZOZOTOWNの取寄せサービスに関する業務も増えるため、店舗オペレーション再整理と店舗スタッフ様への落とし込みが必要になります。

店舗スタッフのマインドの切り替え

「店舗の在庫を取られる」と思われがちなため、サービス開始時には実際にそのような反発を耳にすることもありました。

ZOZOTOWNとしてはしっかり取寄せの売上実績を作ること、テナント様には店舗の売上成績に取寄せ商品の回収実績を加味していただいたりするなど、地道な努力の結果、取寄せに対する認知が進み、導入実績も増加しています。

まとめ

ZOZOTOWNの客注実施ショップは全体の3割を超えてきており、取寄せ対象の店舗は数千店規模になっています。

取寄せ注文の売上比率も伸びており、取寄せ導入時の課題解決に大きく寄与できています。しかし、まだまだ伸びしろのあるサービスであるため、今後もなるべくリードタイムをZOZOBASEの在庫販売に近づける工夫や、欠品によるご迷惑をおかけしないような仕組みをアップデートし、より多くのお客様・テナント様にご利用いただけるよう改善をしていきます。

さいごに

前述のとおり、導入する準備としてテナント様にも多分にご協力をいただく必要があるサービスではありますが、導入や課題解決に関するノウハウはかなり蓄積されています。そのため、しっかりとしたサポートも可能です。取寄せサービス含め、データ連携にご興味を持たれたテナント様がおられましたらZOZOTOWNの営業までお気軽にお問い合わせください。

ZOZOテクノロジーズでは、今回紹介したような裏側の仕組み作りや、運営する様々なサービスを一緒に作り上げていただける方を募集しています。ご興味のある方は、以下のリンクからぜひご応募ください。

tech.zozo.com

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