ZOZOBASEの出荷データ連携を支えるAPI

OGP

こんにちは、基幹システム部の伊藤です。

私は現在ZOZOのバックオフィスのシステム開発をしていますが、以前はZOZOBASEの入荷セクションで勤務していました。本稿では物流とエンジニアの両視点からZOZOBASEを支える仕組みの一部を紹介します。

ZOZOBASEについて知りたい方は、物流倉庫の実績集計を自動化して現場の負担を軽減したはなしをご覧ください。

はじめに

弊社物流プラットフォームであるZOZOBASEは、お客様宅への配送以外、物流に関わる全てを自社で行っている強みを生かすことで年間取扱高3000億を超える国内最大のアパレル物流拠点になりました。2020年の秋には新しい物流センターの本格稼働を目指しており、私たちは日々ZOZOの成長を感じています。ZOZOBASEでは多くの従業員が日々ものすごい物量をさばいているのですが、ブランド様と色々なデータを連携することで、ZOZOBASEの様々な作業の効率化を実現しています。

今回はその中の「出荷データ連携」にフォーカスし、データ連携をすることで、ZOZOBASEのどういった作業にどのようなメリットがあるか説明していきたいと思います。

出荷API

出荷データ連携の機能はAPIとして提供しており、ブランド様から商品情報とZOZOBASEへの出荷情報をまとめて受け取るAPIです。商品がZOZOTOWN上に出るまでにはブランド様による 商品登録ZOZOBASEでの荷受検品採寸撮影棚入れ というステップを踏むのですが、この出荷APIはステップ上流の「商品登録荷受検品」を効率化するための仕組みになります。

ステップ

次に、作業毎にデータ連携の有無によってどれくらい作業内容に違いが出てくるのかを説明します。

1. ブランド様による商品登録
2. ZOZOBASEでの荷受作業
3. ZOZOBASEでの入荷作業

1.ブランド様による商品登録

ZOZOTOWNで販売する商品情報の登録はブランド様が行います。商品情報は主に以下の様な内容で構成されています。

商品データ(商品単位)
  • 商品名
  • ブランド品番
  • 商品カテゴリID
  • 商品単価
  • 商品の素材
  • 原産国
  • 商品説明文
  • 品番
  • 性別タイプ
商品データ(カラー・サイズ単位)
  • カラーID
  • サイズID
  • 商品バーコード

これらは商品を構成する情報の一部ではありますが、1つの商品に対してもこれだけの情報の登録が必要になります。

データ連携を行っていない場合、以下の課題が常に付きまとうことになります。

  • 管理画面から手入力で商品情報を登録するため、手間・コストが大きい
  • 商品登録ミスが発生しやすい
  • 販売までのリードタイムが長くなることによる販売機会ロスが発生する

管理画面からの定型データのアップロードによる一括で商品登録を行う機能も提供していますが、取扱商品数の多いブランド様だと毎日のように新商品が発売されるので、その運用すら煩雑です。 また、ZOZOBASEの荷受時のマスト条件として商品情報が登録済みであることです。商品の登録作業に時間が掛かることで、ZOZOBASEへの出荷が遅れ、販売開始までに時間を要することで販売機会を逃してしまうかもしれません。

データ連携を行う場合、以下のように、手動登録で生じる可能性のある課題がデータ連携により解決できます。

  • 仕組み化してしまえば自動で商品登録が行われる
  • 人の手を介さないため登録ミスがほとんど起きない
  • 手動登録で要していたリードタイムを大幅に削減できる

出荷データ連携によりこういったメリットが生まれますが、開発に合わせてブランド様にやっていただく準備があります。

商品登録時に必要な情報として、ZOZOのカテゴリID・カラーID・サイズIDといったものがあるのですが、こちらとブランド様の各種マスタIDをマッピングデータという形で定義していただく作業です。

ブランドA社の、
カラー:ホワイト(ID:001) = ZOZOのカラー:ホワイト(ID:4)
カテゴリ:Tシャツ(ID:384) = ZOZOのカテゴリ:Tシャツ(ID:7411)

といったような変換テーブルのようなイメージです。

マッピング

マッピングするデータはカテゴリ・カラー・サイズなど5,6種類、レコード総数で10000件を超えるブランド様もあります。はじめにマッピングテーブルを作る作業は苦労されている印象ですが、我々は今まで数十社との連携の実績がありますので、必要に応じて弊社からもアドバイスをしながら作成の支援をさせていただいています。

また、商品登録と同時にZOZOTOWNでサイズ検索を可能にする検索タグの登録を行っています。検索タグを登録することでお客様が「SサイズのTシャツ」を検索した際、サイズ名が「S」や「SMALL」の商品だけでなく「7号」や「36」など、そのブランドのSサイズに相当する商品を検索結果に表示することが可能になります。

検索タグ

こちらもマッピングで実現しており、
A社のサイズ36 = ZOZOの検索サイズの「S」
B社のサイズ36 = ZOZOの検索サイズの「M」

といったブランド様毎のマッピングテーブルをZOZO側で保持して、商品登録時にそこを参照しながらサイズ検索用のデータを作成しています。こちらのマッピングデータは、ブランド様が弊社の管理画面から自由に編集することが可能です。

このように、APIで受け取った商品情報を自動で登録する仕組みにより、手動登録の課題をほぼすべて解決できています。

ブランド様に連携の仕組みを整えていただく必要はありますが、10年以上前から徐々に連携ブランドを拡大し、今ではZOZOで販売される商品の約4割がデータ連携で登録されています。

2.ZOZOBASEでの荷受作業

次はZOZOBASEでの物流のスタート地点である荷受作業になります。ここからは出荷APIで商品情報と同時に受け取ったZOZOBASEへの出荷情報を活用します。荷受作業ではブランド様から納品された荷物を受け取り、同梱されている紙の納品書をデータ化する作業を行っています。納品書に記載されている情報は主に以下の項目です。

納品書情報
  • 納品書番号
  • 納品書日付
  • 品番
  • カラー
  • サイズ
  • 納品数量

データ連携を行っていない場合は紙媒体の納品書に記載されているブランド品番から事前に 1. でブランド様が登録した商品データを参照し、納品書番号や数量の入力をしていきます。紙の納品書を見ながらの手入力となるため、入力ミスが発生しやすく作業に時間を取られることで、ここでもリードタイムがかかり販売機会ロスにつながります。

データ連携を行う場合、出荷APIでは 1. の商品情報の登録と同時に出荷情報を活用して、荷受作業で人の手で行っている納品書のデータ化を自動で行っているので、上記の荷受作業を完全にスキップできます。データ連携されているブランドの商品は着庫後直ぐに荷受の次の工程である入荷作業へ移行でき、荷受作業で発生するリードタイムを丸ごとカットできます。

3.ZOZOBASEでの入荷作業

最後は入荷作業です。入荷作業には2種類あり、データ連携をしていない商品を入荷する場合は目検で数量確認を行い、データ連携をしている商品を入荷する場合は商品タグに記載のバーコードの読み取りによる数量確認をしています。弊社では前者を「通常検品」、後者を「バーコード検品」と呼んでいます。

<通常検品>
通常検品は納品書と商品に付いた商品タグの情報を照らし合わせ、品番や数量などに間違いがないかをチェックし、商品管理シールを貼って入荷を行う方法です。この照らし合わせ作業が目視による作業となるため、どうしても作業時間が掛かってしまいます。数量のチェックが必須なため、複数人で行う必要があることから生産性が良くありません。

また、ここでも入力ミスが課題で、それによる過剰入荷(商品は3点しかないのに4点として在庫計上してしまう)なども起こりえます。その状態のまま販売開始の処理がされると在庫数以上に注文を受けてしまいお客様にご迷惑をおかけする原因にもなります。

こういった作業の特性から、ある程度作業の経験を積まないと円滑な作業が行えないことも難点です。

<バーコード検品>
バーコード検品は商品に付いているブランドタグのバーコードをスキャナーで読み込み、在庫の計上と商品管理シールを発行する仕組みです。

通常検品と比較したときのメリットとして、以下の点があげられます。

  • 作業が簡単で熟練度による作業量のばらつきが少ない
  • バーコードを読む度に、事前に連携された出荷情報と突合することで商品タグや数量の目視確認が不要
  • 入荷数を入力する作業がないので入力ミスが発生しない

この入荷方法は、1.の段階で登録された「商品バーコード」情報と、同時に連携された出荷情報を活用して実現しています。「商品バーコード」情報は、商品に付いているタグに記載のバーコードと同じもので、スキャンしたタグのバーコードをあらかじめ連携された出荷情報内のバーコードと突合し入荷すべき商品であるかのチェックを行い、同時に在庫を1点計上しています。目視の作業がないので作業スピードも通常検品に比べて圧倒的に早く、入荷数の入力作業もないので入力ミスによる過剰・過少入荷も基本発生しません。

また習熟不要な入荷方法であることから、初めて作業をする人でもある程度の作業実績を上げることができるので作業が平準化されて作業予定が立てやすくなり、教育コストの削減にも寄与しています。

まとめ

今回紹介した出荷APIの例を見ただけでも、ブランド様の作業の自動化やZOZOBASEの作業の効率化に大きな効果があることをご理解いただけたかと思います。出荷API以外にも、多くのデータ連携の仕組みが稼働しており、ZOZOTOWNの要であるブランド様とZOZOBASEの作業を裏側から支えています。また、継続して連携ブランドの拡大も進めているため、さらなる作業効率化を目指して新たな連携の仕組みも増えてきています。

一方、連携するブランド様やデータの種類が増えることで管理・運用コストの増大が顕在化してきており、それは今後の解決すべき課題として考えています。

さいごに

ZOZOテクノロジーズでは、今回紹介したような裏側の仕組み作りや、運営する様々なサービスを一緒に作り上げていける方を募集しています。ご興味のある方は、以下のリンクからぜひご応募ください。また、データ連携にご興味を持たれたブランド様がおられましたらZOZO営業までお気軽にお問い合わせください。

tech.zozo.com

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