Matzさんに聞く、RubyKaigi2014の楽しみ方

f:id:vasilyjp:20180927090637j:plain


 

質問

RubyKaigi、楽しみにしていますが、これをもっと楽しむためにはどうしたら良いですか?

参加者として楽しむには勉強しておくといいことなどあれば教えてください、登壇者を事前にネットストーキングすると楽しいとか。

Matz

まあそれもいいかも(笑)

カンファレンスの内容って、殆どのものってネットを調べればわかる情報なんですよね。

わざわざ会場に行ってっていうのは、スピーカーで話を聞くことよりもむしろネットワーキングっていうか、人と人とが繋がることのために行くんだと思ってるんですよ。

でも、それってあんまり言われないので、多くの人たちってただ行って話を聞いて「ああいい話を聞いた」って帰ってしまうことがかなり多いので、ちょっともったいないなと。

この業界の人はあんまり積極的に知らない人と交流する人ばかりじゃないんだけど。そこはちょっと置いといてですね、人と人のつながるみたいなことを主眼に置いたらいいんじゃないかなと思うんですよ。積極的にスピーカーに話しかけるとか、休憩室で隣に座った人に「あなた何やってんの」みたいに話しかけるとかいうことをすると120%か、まあ200%かもしれないけど、カンファレンスを有効活用できるんじゃないかと思うんですよね。

有料になってるので、せっかく行った分を取り返すためにはどうしたらいいかっていうと、そうやって人と話すっていうのが大事なんじゃないかなと。

質問

RubyKaigiでは、人と話せるチャンスはどこら辺なのでしょうか。

Matz

一番やりやすいのは懇親会ですよね。そこはあまり苦労しなくてもできるので、頑張った方がいいと思うのはコーヒーブレイクが途中にあるじゃないですか。あれをいかに有効活用するのかっていうのが狙い目じゃないかと思うんですよね。

そういった時間は知った人とつい喋ってしまう。VASILYの人とか、元々知ってる人とばかり集まって、「あの話はどうだったね」みたいな話をしがちだけど、それはオフィスに帰ってからもできるから。

そうじゃなくて、色んな人と喋るみたいなのをやるといいかなと。

まあ私にやれと言われても結構辛いんですけどね。性格上(笑)

質問

MatzさんはRubyKaigiで非常に多くの人と話すと思うのですが、どういった話をしている時が楽しいですか?

Matz

RubyKaigiの場合は来てる人みんなRubyに関心があるか好きな人なので、そういう意味で言うと誰と話してても楽しいのは楽しいんですね。

あと言うと新しいアイディアの話をするのは結構好きなので、「こんなことやってみたんですけど」みたいな話をするのは楽しいですね。それはいろんなレベルだけど、Rubyそのものに対してどうしたいみたいなアイディアもウェルカムだけど、「Rubyでこんなことやってみました」みたいな話も面白いですよね。特に「今までやったこと」みたいな話ばかりではなくて、新しいこと、「こんなこと試したい」とか「試してるんですけど」みたいな話を聞くのはすごい好きですね。

質問

Matzさんは今年もKeynoteがありますよね。外にも様々なプレゼンをされているんですが、エンジニアとしてのプレゼンのコツって何かありますか?

Matz

心当たりあるのは数ぐらいしかなくて、やっぱり数をこなすと聴衆が何を期待しているのかとかが大体把握できて、だいぶ楽になりましたよね。

あとは、エンジニアなのでテクニカルな話はするんだけど、テクニカルのレベルを上げすぎちゃうと8割9割の人は付いて来れなくなるので、そこは「もっと詳しく知りたい人はあとで来てね」みたいな感じで抑えとくっていうのはエンジニア向きの話としても結構大事な気はしますね。

ジェネリックな話っていうか一般論の方がみんな好きなことが多いみたいで。だから詳細には立ち入らないんだけど「こんなことが今大事なのでこれちょっと頑張ろう」みたいな。いろんなのがあるんだけどここが大事、みたいな戦略的な話をするのは結構重要かなと思います。

あと、大体のことって一次元では決まらないじゃないですか。バトルもののランキングとかとは違って、このことは得意なんだけどこっちは苦手みたいなのは常にあるので、そういうトレードオフを意識した話をするようには心がけています。

一つのアイディアがどこでもオールオッケーみたいなケースってエンジニア的にはほとんどないんですよね。こういう前提条件があればこのアイデアはいいけど、前提条件が成立しないときはまた別のという風なことになるので、こういうトレードオフでこれを選んだんだけど、前提条件が成立しないときはそうでもないよねっていう話はよくしますね。

まあ、フェアでありたいと思ってますね。マーケティングの話とかだと、この技術で何でも解決みたいな、「これさえあればなんでも解決」みたいな話をしがちなんだけど、現実はそうではないのでそこはちゃんと言うようにしてます。

 

----------

RubyKaigi 2014は9/18〜19。MatzさんのKeynoteは19日9:30〜です。
盛り上げて、楽しみたいですね!
(弊社VASILYもGold Sponsorとして参加&Matzさんの衣装コーディネートもしますので、楽しみにしていてくださいませ!)

カテゴリー