「伝わる写真」を撮るためにしていること

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こんにちは。VASILYデザイナーの半澤です。
今回はデザインに必要不可欠な写真についてご紹介します。

クオリティの高い写真素材はネットにたくさんありますが、自社のコーポレートサイトや求人用となると、自分たちで撮影せざるを得ません。

VASILYでは撮影をデザイナーが担当しており、絵のキレイさだけではなく「伝わる写真」であるかどうかを意識して撮影しています。
伝えたいことを写真でどう見せているのか、求人のバナーを例に撮影の工程とポイントをご紹介します。

STEP1:ヒアリング

求人のバナー制作依頼が来たら、まず話を聞くことから始まります。
伝えたいことを明確にすることが1番重要です。デザインする上で伝えたいことを言語化すると思いますが、写真も同じことが言えます。

今回の例は求人なので、以下の項目を依頼者からヒアリングします。

・募集する職種
・実際にどんな仕事をするのか
・年齢/性別
・人柄

以上の項目をヒアリングする理由は、「来て欲しい人物像により近いイメージにするため」です。

極端ですが、以下の例を御覧ください。

このバナーはエンジニアの募集に見えますよね。でも、右側では「PUBLIC RELATIONS(広報)」と書いてあります。
広報の募集で黒い画面を開いているPCが写っているこの写真では、イメージが離れすぎてて広報希望の方は応募しにくいと思います。 

応募する人にとって「自分が働く姿」をイメージしやすい絵作りが大事なので、その素材あつめの一つとしてヒアリングを念入りにしておきます。

STEP2:構図を考える

STEP1のヒアリングを元に、絵作りにはいっていきます。

1.キャストを決める

ヒアリングで来て欲しい人物像を明確にしたので、その人物像に近しい年齢、性別のキャストを決めます。

2.撮影場所を決める

キャストが決まったら撮影場所です。求人の写真はバナーとして求人一覧にならびます。毎回社内で同じ場所では人が違うだけで印象が似てしまうので、似すぎないよう心がけています。

3.構図を絵コンテにする

キャスト、撮影場所が決まれば構図を考えます。
構図を考える際にも意識することは応募する人にとって「自分が働く姿」がイメージしやすい絵なので、なるべく働いている場面を再現するようにしています。
働いている場面といっても、PCに向かって仕事をしている絵だけではなく、複数人で話をしている姿を撮るようにしています。
複数人だと自然な表情が撮りやすいというメリットもありますが、VASILYで働いている人たちの雰囲気を表現するためでもあります。

以上を意識して、ざっくりと絵コンテにしていきます。こちらの絵コンテはデータサイエンティスト募集の時使用したものです。
複数人出演してもらうので、それぞれのキャスト立ち位置や、メインの人物がわかるように描いています。

絵コンテを描くことによって、撮影時にキャストへの立ち位置の説明が楽になります。

4.必要であれば小道具も考える

より具体的にイメージを伝えるために小道具の使用も効果的です。例えば「データサイエンティスト」の求人用に撮影したときはホワイトボードに計算式を書いてもらいました。

キャストの年齢や性別、表情だけでは伝えきれないことは小道具も使って雰囲気作りをしましょう。

構図については以上ですが、加えて忘れていけないのはキャストへの事前の連絡です。
服装や髪型も雰囲気作りにとても重要なので、どういう絵を撮りたいのか求人の概要と共に伝えどのような格好で参加してほしいのか伝えます。

例えば営業の求人用に撮影したときには男性は襟つきのシャツ着用で参加のお願いをしました。

実際に職種が営業の人が写真に出ていても、文脈を知らないひとには伝わりません。
「営業っぽさ」を演出する必要があるので、襟つきのシャツを着用してもらいました。

以上のことから、キャストへ事前に撮影の概要と共に、服装や髪型も事前に伝えておきます。

STEP3:撮影

いよいよ撮影です。

1.撮影準備

キャストを集めるということは、それだけコストがかかっているということです。
なるべく時間がかからないよう、撮影前の準備は念入りにしておきたいです。

決めた撮影場所でどの角度で撮るのか、明るさはどれくらい、邪魔なものがないか、あらかじめ確認し準備をしておきます。

2.撮影

撮影は30分以内で終わらせるようにしています。

概要説明   5分
テスト撮影  5〜15分
本番     10分

キャストに概要説明をする際に便利なのが、構図を考えたときのコンテです。
コンテを見せながら、「こういう人材がほしいから、こういう構図で、◯◯な雰囲気でとりたいです。」とキャストに伝えます。

しかし、紙に書いた構図で一発できまるわけではありません。
私はテスト撮影をしながらキャストからもフィードバックをもらうようにしています。
フィードバックをもらう時に便利なのがEye-fiです。Eye-fiとはWi-fi内臓のSDカードで、撮った写真がリアルタイムで好きなデバイスに転送することができます。
カメラの小さいモニターでキャストに都度見てもらうのではなく、PCの画面で見てもらう事が可能です。
小道具で使用しているPCに転送すると撮影を止めることなく、キャストからフィードバックを貰えます。

フィードバックを受け、構図が決まれば本番です。ここまで念入りに準備をしたので、本番は実際10分もかからずサクッと終わります。

3.デザイン

撮影が終わればチェックです。撮影時には気にならなかった細かい髪の乱れや、洋服のヨレなど、レタッチする箇所をチェックします。
レタッチが完了すれば、デザイン作業です。

VASILYの求人バナーではデザインを統一するようにしています。
写真で職種ごとのイメージを伝えつつ、VASILYという会社のイメージもバナーで表現するためです。

最初にデザインテンプレを複数作り、どれがVASILYらしいのか検討し、現在掲載しているデザインになりました。

しかし、一部デザインが違う例もあります。

上の例はiOSエンジニアの求人バナーです。
アプリエンジニアは、それぞれのOSの専門だとわかりやすくする為に筐体を入れています。
必要に応じてレイアウトを変えていますが、一覧で見た時に統一感が出るようにデザインしています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
求人のバナーを例に「伝わる写真」の撮影フローを紹介しました。

あくまで写真は伝える手法の1つで、目的は応募しようとする人へ自分が働いているイメージが伝わり一緒に働きたいと思ってもらうことです。
撮影を重ねる度にデザインと同様に伝えるべき内容を明確にし、写真でどう表現するのかが重要だと感じています。

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